済州島ダークツーリズム:アルトゥル飛行場とソグァクサンで辿る歴史の痕跡
済州島と聞くと美しい自然を思い浮かべがちですが、そこには戦争の深い傷跡が残されています。アルトゥル飛行場とソグァクサンを巡り、平和な風景に秘められた歴史を紐解くダークツーリズムの魅力をご紹介します。
済州島で「ダークツーリズム」と聞くと、
まず済州4・3事件の史跡を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、済州島には日本統治時代に建設された
飛行場や格納庫、地下壕、洞窟陣地といった
日本軍の軍事施設も各地に残されています。

西帰浦市大静邑にある
アルトゥル飛行場とソグァクサン(松岳山)も、まさにそのような場所です。
現在では平和な野原と
美しい海が広がる風景を見ることができますが、
かつては戦争のための軍事施設として利用されていました。
私が済州島に住んでいた昨年10月(2025年10月)、
夫と一緒にこれら二つの場所を巡ってみました。
当時熱心に参加していた
済州国家遺産スタンプツアーがきっかけでしたが、
実際に歩いてみると、済州のダークツーリズムが
どのような旅なのかをより深く実感することができました。
済州ダークツーリズムとは?

ダークツーリズムとは、
戦争や災害、虐殺といった
悲しい歴史が残る場所を訪れ、
過去の出来事を振り返り、記憶するための旅を指します。
済州のダークツーリズムでは、
済州4・3事件に関連する場所だけでなく、
日本統治時代に造られた軍事施設など、
済州の近現代史の痕跡も辿ることができます。

私が訪れたアルトゥル飛行場とソグァクサンもまた、
日本統治時代の軍事遺跡が残る場所です。
特にこれらの場所では、
現在の平和な済州の風景と
過去の戦争の痕跡を
同じ場所で目の当たりにできる点が印象的でした。
済州ダークツーリズムで訪れる
アルトゥル飛行場

アルトゥル飛行場は
日本統治時代に軍事目的で利用されていた場所で、
現在も飛行機の格納庫や滑走路、
地下壕などの痕跡が残っています。
私たちはソッアルオルム虐殺地の駐車場に車を停め、
現地の案内表示に従ってアルトゥル飛行場一帯を歩きました。
駐車場の名前からもわかるように、
近くにはソッアルオルム虐殺地もあり、
大静や摹瑟浦(モスルポ)一帯では、異なる時期の
済州の近現代史の痕跡を合わせて見学することができます。

最も印象的だったのは、
畑の間に残る飛行機格納庫でした。
周囲にはごく普通の済州の農村風景が広がり、
遠くには山房山(サンバンサン)も見えます。
しかし、その中に
戦争のために造られた
飛行機格納庫が佇んでいるのです。

過去の痕跡が
博物館の中に隔離されて保存されているのではなく、
今人々が生活する風景の中に
そのまま残されているという点が、
何とも異質で不思議に感じられました。



私が訪問した際には、格納庫の中で
アルトゥル平和現場詩画展も開催されていました。
戦争のために造られた空間で
平和に関する詩を読むという経験も、非常に印象的でした。
平和な野原となった
アルトゥル飛行場の滑走路

格納庫を見た後には
滑走路の方へ歩きました。

歴史を知らずに風景だけを眺めると、
かつて飛行場だったという事実を
容易に思い起こせないほど、
アルトゥル飛行場の滑走路は平和な光景でした。

しかし、現地の説明を読んでからでは、
同じ風景も違って見えました。
何よりも説明を読みながら、
現在の済州国際空港が
日本統治時代に造られた「チョンットゥル飛行場」に
由来しているという事実を知りました。
済州島に住んでいた間、
私が本当に何度も行き来した場所であり、
済州旅行をする際にも
済州空港は必ず通る玄関口の一つですよね。
しかし、そんな馴染み深い済州空港にも
日本統治時代の痕跡が残っているという事実は、
これまで考えたこともなかったので本当に驚きました。
済州島に残る日本統治時代の痕跡が、
いくつかの歴史遺跡地にだけ存在するわけではないことを
改めて考えさせられました。
ソグァクサンで目の当たりにした日本軍洞窟陣地

アルトゥル飛行場を巡った後には、
ソグァクサンへ移動しました。

ソグァクサンは以前にも何度か訪れたことのある、
私のお気に入りの場所です。
海を眺めながら歩くのに最適で、
景色も美しいため、散歩によく出かけていました。

しかしこの日は、景色ではなく
ソグァクサンの海岸に残る日本軍洞窟陣地を見に行きました。
散策路から海岸の断崖を眺めると、あちこちに
大きな穴が空いているのが見えます。

見慣れていたソグァクサンに
このような軍事施設が残っているという事実を
意識して見ると、
以前とはかなり印象が異なりました。

知っていたのに忘れていたのか、
それとも以前は景色ばかり見ていて
きちんと見ていなかったのかはわかりませんが、
はっきりと洞窟陣地を確認してからは、
私が知っていたソグァクサンの風景が少し違って見えたのは確かです。
実際に歩いてみた済州ダークツーリズム

アルトゥル飛行場では
ごく普通の畑の間に格納庫が残り、
ソグァクサンでは美しい海岸の断崖に
戦争の痕跡が残っていました。
アルトゥル飛行場とソグァクサンを
同じ日に巡ることで、
大静(デジョン)と摹瑟浦(モスルポ)一帯に日本統治時代の軍事遺跡が
想像以上に多く残っているという事実も知ることができました。
📍 アルトゥル飛行場および日本軍飛行機格納庫
済州特別自治道 西帰浦市 大静邑 上摹里
📍 ソグァクサン陣地洞窟
済州特別自治道 西帰浦市 大静邑 上摹里
もし一つの場所だけを見て移動していたら、
それぞれを単なる遺跡として記憶したことでしょうが、
二つの場所を続けて巡ることで、
当時この一帯が戦争のために
どれほど広範囲に利用されていたのかを
より深く実感することができました。
済州のダークツーリズムは、単に
暗い歴史の場所を訪れる旅というよりも、
今は平和に見える場所に
どのような時間が積み重なっているのかを
直接見て記憶する旅に近いと感じました。
済州の大静や摹瑟浦への旅行で
少し違った済州に出会いたいなら、
アルトゥル飛行場とソグァクサンを
一つの動線でゆっくりと歩いてみてください。
美しい景色だけを見て通り過ぎていた時には
見えなかった、
済州の時間を発見できるはずです。
よくある質問
筆者はアルトゥル飛行場とソンアクサンを同日に巡り、大静とモスルポ一帯についてどのような事実を悟りましたか?
筆者はアルトゥル飛行場とソンアクサンを同日に巡る中で、大静とモスルポ一帯に日本統治時代の軍事遺跡が予想以上に多く残っていることを知りました。両所を続けて回ることで、当時この一帯がいかに広範囲にわたって戦争のために利用されていたかをより実感できたそうです。
アルトゥル飛行場では、どのような日本統治時代の軍事施設の痕跡を見ることができますか?
アルトゥル飛行場には、日本統治時代に軍事目的で利用された飛行機の格納庫や滑走路、地下壕などの痕跡が残っています。特に、畑の間に広がる素朴な済州の農村風景と調和している飛行機格納庫の姿が印象的だと述べられています。
ソンアクサン海岸では、どのような日本統治時代の軍事施設の痕跡を確認できますか?
ソンアクサン海岸では、日本統治時代の洞窟陣地を確認できます。散策路から海岸の崖を眺めると、あちこちに大きな穴が開いている様子が残っています。
現在の済州空港は、日本統治時代とどのような関連がありますか?
現在の済州空港は、日本統治時代に建設されたチョンドゥル飛行場に由来しています。筆者は、見慣れた済州空港にも日本統治時代の痕跡が残っているという事実に驚いたそうです。
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